2024年11月1日
不動産証券化協会(岩沙弘道会長)は7月11日、都内のホテルで理事会後の記者会見を開きました。岩沙会長は、来年1月からスタートする少額投資非課税制度「NISA」について、「Jリートは分配金を安定的に受け取る商品であり、NISAの制度に適した投資先。これを機に、長期安定的にJリートに投資する個人投資家が増えるのではと期待している」と述べ、他団体と協力しながら制度普及に取り組む方針を示しました。
NISAは、年間投資額100万円を上限に、株式や投資信託などから得られた利益が非課税になる制度で、非課税期間は最長5年間。個人の資産形成の促進や経済活性化が期待されています。Jリート市場では最近、NISA利用を見込み、投資口を分割して投資単価を下げたり、上場時の発行価格を買いやすい価格帯にしたりする動きなどが見られます。岩沙会長はこうした傾向について、「各投資法人が、必要なコストや投資家の反応などを考慮しながら判断することだと思う」と述べました。また会見では、現在のJリート市場について「外部成長への動きが着実に進み、今年に入ってからの新規物件取得は1.3兆円(6月末)となり、既に昨年1年間の取得額の1.6倍となった。投資対象も大型物流施設やヘルスケア施設などに広がり、成長産業を資金面から支える不動産投資市場の役割は重要性を増している」と話しています。さらに、協会の活動方針として、運用資産の多様化や幅広い投資家層の取り込みに向けて活動していくことを説明。有料老人ホームなどを投資対象とするヘルスケアリート創設に向けた課題について議論するため、国土交通省や金融庁の担当者を交えた検討委員会を立ち上げることも報告しました。