森記念財団都市戦略研究所(竹中平蔵所長)は10月9日、世界の主要40都市を対象とした「都市総合力ランキング14年版」を発表しました。08年から毎年実施しているもの。上位に大きな変動はなく、引き続きトップはロンドンで、東京は4位でした。今回から「感性価値(人の感性に訴える力)」を加味したランキングも出しており、東京は「公共の場における安心感」などが評価されて3位となっています。総合力ランキング1位のロンドンは、前年よりも更にスコアを伸ばして2位のニューヨークとの差を広げました。次いで3位はパリ、4位は東京。5位のシンガポールと6位のソウルは、いずれも前年に続いてスコアを上げ、4位東京との差を縮めています。
同ランキングは、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6つの分野について評価し、総合順位を決めています。東京は、トップ3都市と比べて「経済」や「研究・開発」は評価されていますが、「文化・交流」「交通・アクセス」分野は依然低め。ただ、外国人旅行者数が増加したことに加え、国際コンベンション開催件数やハイクラスホテル客室数などの充実により、「文化・交流」分野の順位は前年よりもアップしました。同研究所では、20年の東京オリンピック開催に向け、交通網の整備をはじめとした都市力向上が予定されており、「将来的には、2位になる可能性もある」と見ています。また、今回から、都市の魅力の新たな評価方法として「都市の感性価値」のランク付けを行いました。都市生活の中で人が感じる快適さや安らぎなどのことで、「効率」「正確・迅速」「安全・安心」「多様」「ホスピタリティ」「新陳代謝」の6つの要素で評価。こうした「感性価値」を加味したランキングは、1位ロンドン、2位ニューヨーク、そして東京がパリを上回り3位でした。「公共の場における安心感」や「住民の親切さ」「国際空港の定時運航率」「移動の快適性」が特に高い評価を受けたようです。