4割が「当時より活発」、違いのトップ「海外投資家の増加」、出口は東京五輪前か。
日本不動産研究所はこのほど、不動産投資家調査特別アンケートとして、ファンドバブル期(07年10月と仮定)と比較した「15年の不動産市場動向」をまとめました。4月1日時点で実施し、127社から回答を得ています。
まずファンドバブル期と比較した現在の不動産取引市場について、「かなり活発」「活発」の合計が約4割あり、「当時と同じ程度」とする約5割と合わせると、9割方が当時並みかそれ以上の活況にあるとの認識を示しています。次に当時と現在を比べて違いがあると考える事項では、特にアジアからのインバウンド投資で注目されている「海外(アジア・中東)投資家の増加」とする回答が最も多く、「ノンリコースローンの金利水準」が続きました。
また、当時と比較して活況を呈しているアセットについては、「物流施設」が最も多く、以下「ビジネスホテル」「ヘルスケア」の順。活況を呈している地域は「東京」が圧倒的に多く、「福岡」「大阪」が続いています。物流施設、ビジネスホテル、シティホテルについては、期待利回りがファンドバブル期と比べ、0.1~0.5ポイント低くなったとする回答が全体の約4割で、現在の価格感については、「過熱しすぎ」「過熱している」が合わせて約2割ありました。
今後のネガティブファクターでは、「金利の上昇リスク」が最も多く、「賃料の伸び悩み」が僅差で二番目。逆にポジティブファクターとしては、「インバウンド投資の一層の加速」とする回答のポイントが最も高く、「GPIFなど公的年金による不動産投資の開始」が続いています。
各アセットの今後の市況見通しでは、ホテルは「現在の状況が20年まで続く」とする回答が約6割ありましたが、オフィスやレジデンシャルは「18年まで」が最も多く、東京五輪前を出口ととらえている投資家が多いことが分かりました。