2024年12月15日
森記念財団都市戦略研究所はこのほど、世界の主要42都市を対象に実施した「世界の都市総合力ランキング16年版」の結果を発表しました。東京はパリを抜いて初めて3位にランクアップし、海外からの訪問者数の増加や羽田空港の国際化などが寄与しています。ランキング上位2都市は変動がなく、1位がロンドン、2位がニューヨークの順。ロンドンは「文化・交流」分野が強みとなり、2位以下を大きく引き離して5年連続のトップ。ニューヨークは「研究・開発」分野でトップを維持しましたが、全体的に大きなスコア変動は見られませんでした。
前回3位だったパリは今回4位に後退。昨秋の同時多発テロなどの影響で海外からの訪問者数が減少したことが響いています。5位はシンガポール(同5位)でした。同ランキングは、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野について、全70の指標を設けて算出します。東京は08年の調査開始以来8年連続4位でしたが、今回初めて順位を上げ、3位となりました。海外からの訪問者数や国際コンベンション開催件数の増加で「文化・交流」分野のスコアを伸ばしました。また、為替変動(円安)の影響で、物価水準や住宅平均賃料がドル換算で低く、「居住」分野のスコアも改善しています。更に、「交通・アクセス」分野では羽田空港の国際化が寄与。なお、アジアを見ると、昨年スコアを伸ばしたシンガポールが順位(5位)を維持したものの、スコアは落としました。一方、上海(12位)はすべての分野でスコアを伸ばし、昨年の17位から順位を上げています。