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首都圏新築マンション不振、平均5500万円

首都圏で新築マンション市場の不振が鮮明になっています。不動産経済研究所が17日発表した2016年度の発売戸数は3万6450戸と、1992年度以来24年ぶりの低水準となりました。施工費の上昇による価格高騰に付いて行けない一般層向けマンションが減速しているだけでなく、富裕層向け億ションも伸び悩みが鮮明です。2017年度も価格は高水準で推移するとみられ、中古マンションに目を向ける動きが広がりを見せています。

同研究所によりますと、2016年度の首都圏の新築マンション契約率は平均68・5%と、8年ぶりに好不調の目安とされる7割を下回りました。最大の要因は価格の高騰で1戸当たりの平均価格は5541万円と、4年連続で5000万円を突破しています。

年収の5~6年分が価格の目安とされる一般的なサラリーマンには手が届かず、中古マンションや郊外マンションを選択肢に入れざるを得ないのが現状です。実際、一般のファミリー層は高くなった都心を離れ、郊外に目を向けており、2016年度の販売戸数を地域別に見ると神奈川県や千葉県は共に前年度比で2桁増となっています。とはいえ一般層の賃金上昇の勢いは弱く、マンション市場全体が活性化するような力強さはありません。

これまで富裕層の需要を取り込んでいた相続税引き上げによるタワマン節税特需もひとまず一巡し、節税目的の購入は激減しています。2016年度の億ションの販売戸数は約1300戸と、前年度比3割近く減少しました。契約率は72%で約11ポイント減と大幅に下がり、首都圏全体に占める億ションの比率も約4%と1ポイントほど低下しています。野村不動産のプラウド系など高額でも販売が好調だった物件もあるとはいえ、確実に市場全体の一時の勢いはなくなっています。

アジアなど海外投資家の姿も目立たなくなったのは、日本のマンションの割安感が薄れたほかに米大統領選まで円高が進んでいたことも逆風でした。中国政府が資本流出規制を強めていることも中国人富裕層の動きを抑制する要因となっているとみられています。

さらに、日経平均株価は3月の高値でも2万円を突破できず、4月は株安トレンドに転じており、これが長引くようであれば億ション市況はさらに冷え込む可能性が高まると言われています。