2024年10月15日
2017年春の賃貸繁忙期は例年より早く始まりました。不動産会社に聞くと、「12月、1月から申し込みが来ている」「2月が最も忙しく、3月は残りもの商売」といった意見がありました。全体の賃貸成約件数はここ数年減少していますが、アパートは好調で、アットホーム調べによると3月の成約数は新築・中古ともに首都圏全エリア(東京23区、都下、神奈川県、埼玉県、千葉県)で増加しています。
アットホームの調査によりますと2017年春の繁忙期(2016年12月~2017年3月)における首都圏エリアの賃貸成約件数は9万4605件でした。2016年の9万7980件と比べて3.4%減。調査直近の3月の賃貸成約件数は3万128件(前年同月比0.5%減)で、13カ月連続減。この数字だけを見ると落ち込みが継続しているようですが、減少率はこの13カ月で最も低くなっています。
そうした中、アットホーム業務推進部シニアリサーチャーの岩田紀子氏によりますと、「低迷していた賃貸市況に光が見えてきた。それがアパートの動き」だといいます。3月のアパートの成約数は、首都圏全体で新築が前年同月比で15.9%増、中古が同2.3%増となっています。特に30m2未満のシングル向き、30~50m2未満のカップル向きが増加しており、新築・中古別に見てもアパートのシングル・カップル向きは共に増加と好調でした。岩田氏は、「シングル向きはこれまでも相続税対策として建てられてきたので増加傾向でしたが、カップル向きも増加してきた。明るい動きとみている」としています。