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2018年不動産業界展望・注目は「インスペクション&安心R」

新年明けましておめでとうございます。

本年も株式会社ワイエムコンサルティングをよろしくお願いいたします。

新たな年2018年がスタートいたしました。不動産業界にとってどのような1年となるのか。今年の展望について、市況の動きとともにまとめてみました。

インスペクション(建物状況調査)の活用促進を目玉にした改正宅地建物取引業法が、この4月1日から施行されます。欧米諸国に比べて低い水準にある日本の既存住宅の流通市場を活性化し、安心な取引環境の整備を図るため、16年6月に公布されたものです。今回の改正では、①売主に対して案内・あっせんする媒介契約時、②買主に結果の概要を伝える重要事項説明時、③当事者双方が納得の上で契約が成立したことを書面で確認する売買契約時、という3つのタイミングでインスペクションの説明がなされます。ポイントとなるのは、宅地建物取引士が買主に対してインスペクションの有無と建物状況について説明する重要事項説明時です。「建物の質を踏まえた購入判断や交渉が可能になる」「既存住宅売買瑕疵保険の加入促進」といった効果が期待される半面、消費者に適切な説明がなされなければ、既存住宅流通の阻害要因となってしまいます。宅地建物取引士には今後、一定の建物知識が求められるようになり、建物知識を身に付けた不動産業者は内見時等に差別化できる強みとなります。不動産取引のプロとして、より大きな責任が高まる宅建業者は、既存住宅市場活性化の鍵を握っています。

また、高値が続く首都圏新築分譲マンション市場で、2018年の供給動向で注目されるのが、2019年10月に予定されている消費増税を前にした駆け込み需要です。不動産経済研究所によりますと、2017年の首都圏マンションは価格上昇が続いているものの、供給量は4年ぶりに増加。2018年は更に増え、2017年比4.4%増の3万8000戸程度と予測しており、駆け込み需要次第では4万戸台も視野に入るとしています。住宅は高額であるため、購入検討者にとって消費税率アップのインパクトは大きく、2019年3月末までに契約した住宅については、引き渡しが10月以降であっても現行の税率(8%)が適用されるため、今年の下半期には駆け込みの動きが本格化する可能性もあります。2017年は、都心を中心に富裕層の投資需要や高年収のサラリーマン、DINKSなどの実需向け物件は比較的堅調に推移しましたが、高値を背景にマンション市場の主力である一次取得ファミリー層は購入をためらう傾向も見られました。マンションコンサルティング会社であるトータルブレインの久光龍彦社長は、「今年は、郊外を中心に、売れ行きの鈍い物件の値下げが出てくると見る。これは中古や建て売り市場にも影響を与えるだろう。こうした流れと共に、消費増税を織り込んだ販売戦略が始まる。郊外市場を中心に潮目が変わりそうだ」と指摘しています。

さらに、2017年12月、「安心R住宅」の事業者の登録申請受付が開始され、また税制改正では「買取再販に係る不動産取得税特別措置」が敷地部分にも認められるなど、既存住宅の流通活性化に向けた国の施策が相次いで具体化しました。特に「安心R住宅」制度は、登録事業者が順調に増加し社会的な認知も進んでいけば、従来はマンションに比べて動きの少なかった既存戸建て住宅の流通が、2018年前半のうちに大きく動く可能性を秘めています。2018年後半では、2019年10月に予定されている消費税率の引き上げの影響が本格化していくと予想されます。