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4月以降の新制度、実務に影響、対応急務。

住宅・不動産業界の実務に影響する新たな制度が4月以降、順次始まります。直近の対応は、4月1日からの成年年齢引き下げが挙げられます。同時期に、マンション管理計画認定制度もスタート。5月には改正宅建業法が施行され、書面の電子化が解禁されます。自然災害が相次ぐ中で、10月に予定されている火災保険料アップは持ち家取得や賃貸オーナーの負担増となってきます。

宅建業法改正「書面の電子化」解禁へ

今年度は、改正宅地建物取引業法施行により、重要事項説明書や契約締結時書面、媒介契約締結時書面等の「書面の電子化」が解禁されます。昨年5月のデジタル改革関連法の成立にともなう改正宅建業法で、5月18日までに施行される予定です。新型コロナ感染症流行で非対面での取引ニーズが一段と高まる中、不動産取引における集客から契約までの完全オンライン化が制度上は可能となります。

マン管計画認定制度のスタート

改正マンション管理適正化法により「マンション管理計画認定制度」が創設され、4月1日から施行されます。これは、マンション管理適正化推進計画を作成した地域において、マンションの管理計画が一定の基準を満たす場合、マンション管理組合が地方公共団体から適切な管理計画を持つマンションとしての認定を受けることができる制度です。建物の老朽化、所有者や居住者の高齢化にともない、マンション管理の重要度が高まっていることを受け、同制度を通して、マンション管理の向上を図ろうとする狙い。認定には、マンションが所在する地方公共団体が同推進計画を作成していることが必要となります。

成年年齢の引き下げ、確認・相談徹底を。

4月1日から成年年齢が20歳から18歳になります。成年者になれば一人で契約が結べるようになり、未成年者取消権がなくなります。不動産業界で言えば、2月から3月が繁忙期なので今年の春に締結する多くの賃貸借契約はこれまで通りですが、成年者となると、実際に住んで以降のトラブルや契約更新などは安易に取り消すことはできません。不動産事業者としては、新成人が誤解を招かないよう、契約内容の丁寧な説明や管理物件トラブルへの適切な対処など、必要かつ十分な対応が求められます。

火災保険料率が10月改定

自然災害の激甚化を踏まえて火災保険料率(住宅総合保険)が引き上げられます。損害保険料率算出機構(損保料率機構)は昨年6月に火災保険参考純率の変更を実施し、全国平均で10.9%引き上げるとしました。住宅総合保険の参考純率は、すべての契約条件(都道府県、構造、築年数、補償内容等)の改定率を平均して算出したもので、改定理由は自然災害リスクの増加としています。リスクが読みづらくなったことも踏まえて長期10年契約が廃止され、最長契約期間が5年に短縮されます。