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タワーマンション、多額の資金管理に懸念。多くが監査の専門家不在。

国土交通省は4月24日、第6回「今後のマンション政策のあり方に関する検討会」を開き、超高層マンション(タワーマンション)特有の課題について議論しました。タワマンの建設が進んだのは2000年代以降であり、大規模修繕工事の実施に向けた具体的な検討や長期の資金計画等を含め、今後、特有の課題が顕在化する可能性があります。特に、多額の資金等について区分所有者自らが監査することに困難性があるとし、外部専門家を加えた体制構築の検討が必要となりそうです。

従来の大規模マンションといえば、いわゆる団地型であり、これらのマンションは基本的に団地を構成する各棟単位で管理組合が組成され、棟ごとに区分所有者で合意形成がなされてきました。他方、2000年以降に建設が進んだ超高層型のいわゆるタワーマンション(20階以上)の全国ストックは2022年末時点で累積1464棟(東京カンテイ調べ)。築10年以内のタワマンの平均戸数は約290戸、1棟に1000戸以上が居住するものも存在しています。管理組合を構成する区分所有者の数が増えることで、合意形成の困難性の上昇や管理組合が扱う金銭(管理費・修繕積立金等)の高額化が進むため、より適切な意思決定や監査の必要性を指摘する声も出てきました。

同検討会で示された懸念事項は、(1)会計監査の体制、(2)特有の修繕項目・費用の把握、(3)適切な合意形成のあり方についての3点です。まず、区分所有者が多い大規模マンションの管理組合会計は通常規模のマンションに比べて多額となります。一定規模以上では投資ファンドと同様の経済実態を有する半面、町内会やPTAと同様の会計監査の体制となっているとの指摘があります。同省のタワマンに対するアンケート調査でも、管理組合の会計監査は1~2人の監事が行っており、その監事は区分所有者が大半であることが分かりました。公認会計士など、監事以外の外部専門家が会計監査を実施するケースは限定的で、事務局では「扱う金額の規模に鑑み、外部専門家等を加えた適切な会計監査の体制を促していくべきではないか」と提示し、委員からも同意を得たといいます。

2つ目は、タワマン特有の修繕工事に対する修繕費用についてです。現状の「長期修繕計画作成ガイドライン」では、非常用エレベーターや機械式駐車場等の記載がある一方、記載のない項目も少なくありません。同省の調査では、これらの修繕費用を「積み立てる計画になっていない」とする割合も一定数存在している点を踏まえ、まずは特有の修繕項目・費用の実態を把握する方向性を確認。同ガイドラインへの反映も視野に入れています。

また、タワマンにおける合意形成についても、今後のより詳しい調査と検討が必要となりそうです。同省が管理会社に実施したアンケートでは、個人所有・法人所有、所得や年齢差、住戸タイプの違い等から、修繕積立金の使途をめぐってもめるケースが確認されました。区分所有者の属性の差などに伴う管理意識の相違などが背景にあると見られており、適切な合意形成のあり方についても検討していく必要があるとしています。