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2024年住宅・不動産景況感アンケート、金利・物価懸念も前年並み見込む。

住宅新報では、住宅・不動産企業の経営陣を対象にした2024年1年の景況感を聞く恒例のアンケート調査を実施しました。アンケートは2023年12月に実施し、経営陣56人から回答を得ています。前回調査では、脱炭素やインバウンド再開などコロナからの脱却を期待する回答が多かったのですが、物価高や金利上昇懸念があるものの、前年から変化はないとの回答が目立ちました。一方で、インフレを反映して賃貸住宅の募集家賃が「上昇」するとの回答が半数を上回るなど、これまでにない動きも見られています。

2024年の事業環境については、前年と同程度で推移するとの予想が約7割を占めています。「景気回復の見通しはあるが、物価高騰や金利上昇など不透明な状況」「マイルドなインフレ基調が続きそう」といった不透明感を示す意見がある一方、「オフィス回復に伴うオフィス需要の増大や、ホテル・飲食店舗の業績回復が期待できる」といった前向きな意見もありました。また、2024年の日本経済(景気)見通しに関しては、「やや改善」と「同様の状況」に回答が集中し、両者の割合も拮抗。昨年は約1割を占めた「厳しくなる」との見方が大きく後退しています。

不動産・住宅市場の全般的な景況についても、約8割が前年同様と回答。「人手不足の深刻化や日銀の金融・財政政策修正による景気下振れ懸念」「国内金利の上昇懸念はあるものの、住宅市場は引き続き好調な推移を見込む」など、金利上昇や物価上昇への懸念はあるものの、住宅・不動産業界は比較的安定した環境でビジネスを進められるとの見方が支配的なようです。一方、厳しいとの見方をしている企業の回答理由では、金利上昇や価格上昇を理由に挙げています。

首都圏の不動産流通では、個人・法人とも取引件数が「横ばい」、価格も「横ばい」との回答がいずれも約7割を占めました。不動産仲介の堅調さを反映した回答ですが、取引価格に関しては「上昇」が半数を超えており、中古物件の価格上昇は24年も続くと見られています。一方、リノベーション市場は約7割が拡大を予想しており、2024年のリフォーム・増改築市場の推移も同様に半数以上が「活発化」を見込んでいます。「低調」の予想が少ないのが特徴で、活発化の理由として、「新築マンション・戸建ての価格高騰が続き、中古、増築のニーズは高まる」との意見も寄せられていました。