グレードAオフィス（基準階面積300坪以上）、都心5区は空室率2%台に。

コリアーズ・インターナショナル・ジャパン(東京都千代田区)は、東京と大阪の「グレードAオフィス」を対象に、『オフィスマーケットレポート/2024年第4四半期(10月～12月期)』をまとめました。同社ではグレードAオフィスについて、基準階面積が300坪以上で、主に賃貸のオフィスビルの中から独自の基準で選定しています。

同レポートによりますと、東京主要5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)では、今期に新規の供給はありませんでしたが、ネットアブソープション(空室を吸収した需要面積)は4万3000坪を超え、空室率は2.7%に低下しました。

特に都心部の優良物件は、空室が極めて少なく、市場は〝貸主優位〟の状況が続いています。比較的に供給の少なかった2024年に比べて2025年には、約2倍の供給が見込まれると予想。2025年の需要は、供給量と同程度か、もしくは、それを上回る水準になるとしています。

一方、今期の大阪中心部では、大阪駅周辺の一連の再開発ビルの中で、最大規模となるグラングリーン大阪ゲートタワーと、パークタワーが竣工し、3万4000坪の大規模供給を記録しました。ネットアブソープションは供給量と同水準に達し、空室率は横ばいを維持しています。事業の拡大や、人材の確保を目的とした戦略的なオフィス移転の動きが継続し、2025年には、御堂筋沿いエリアで大型再開発が竣工し、既存ビルの賃料改定の動きも。大阪のオフィス市場全体の競争力の向上を示唆しているようです。