不動産経済研究所は6月23日、2025年5月の首都圏新築分譲マンション市場動向を発表しました。発売戸数は1288戸で、前年同月(1550戸)比262戸、16.9%減となり再び落ち込み、埼玉県以外全て減少。前月(1006戸)比では282戸、28.0%増でした。
東京23区は発売戸数461戸で、前年同月比23.2%減、東京都下は155戸で同1.3%減、神奈川県は315戸で同17.5%減、千葉県は154戸で同45.0%減。埼玉県のみ203戸で同55.0%増となっています。
首都圏の初月契約率は57.9%で、前年同月比1.9ポイント上昇、前月比では8.4ポイント下落。1月以来の5割台で全エリアが70%を下回りました。東京23区57.0%、東京都下49.7%、神奈川県65.4%、埼玉県60.6%、千葉県は50.0%と軒並み低調でした。「大型物件の第1期販売予定がなかったので契約率は落ち込んだ。6~7月にならないと出てこない」(松田忠司取締役調査部長)としています。
20階以上の超高層物件の契約率は12物件、205戸で60.0%でした。販売在庫数は5月末時点で5871戸と、前月末比で11戸の増加となっています。即日完売は「Brillia(ブリリア)二番町」(東京都千代田区)の51戸で平均価格2億5939万円、「ファインレジデンス武蔵新城」(川崎市高津区)の4戸で平均価格5423万円など、3物件71戸。「千代田区は物件が非常に少ないが、最近番町エリアは積極的に開発が進んでいる」(松田部長)と見ています。
戸当りの平均価格は9396万円で、前年同月比1910万円(25.5%)の上昇。1m2当たり単価は140.3万円で、同26.3万円(23.1%)の上昇。ともに2カ月ぶりの上昇でした。
地域別に平均価格と1m2単価を見ますと、東京23区は1億4049万円(前年同月比36.1%)、211.2万円(同30.0%)と大幅な上昇を見せています。その他のエリアも、平均価格は前年同月比で全て上昇。1m2単価は千葉県以外は上昇しました。都下は6559万円、106.2万円、神奈川県は7715万円、113.5万円、埼玉県6777万円、99.5万円、千葉県5210万円、74.7万円でした。「市場では借地建物の割合が高まって2割近くになり様変わりしつつある」(松田部長)と分析しています。