「家具付きリノベ住居」の新たな試み

中古マンション事業のスター・マイカは、総合インテリア販売の大塚家具と協業し、このほど「リノベーション×リユース家具」をコンセプトにしたライフスタイル提案型住居の販売を開始しました。両社は家具設置によって売却を促す「ホームステージング」で提携してきましたが、これにより、〝憧れの住み方〟を求める購入検討者への訴求効果を高め、物件内覧から購入までの期間を短縮する狙いです。

物件はスター・マイカが保有する中古マンションを対象に、1室ごとにコンセプトを設定します。「子育て」「旅」など様々で現在5戸が売り出し中で、例えば、築35年を超える世田谷区の「パシフィックニュー自由が丘」は、1階に大型店舗が入る構造で梁などの制約が多いなか、2階の1室(2LDK、55.18m2)を「ヴィンテージ+快適性」をテーマに装いを変えています。
コンパクトで使いやすい洗面、広めの収納を確保し、特に木質の素材感と洗練されたデザインのキッチンが際立っています。そこに、大塚家具のインテリアコーディネーターが選定した上質なアームチェアなどを設置し、LDKの統一感を高めました。家具は同社が買い取り、メンテナンス後に再販売している商品で1年の保証付き。

「DINKS、ファミリーなど、立地や部屋のしつらえ、築年を吟味した上で選定する。リユースだからこそお値打ちで上質な家具を設置できる」(同社銀座本店法人外商担当の遠藤崇次長)。初動の手応えについてスター・マイカ販売事業本部の松田明本部長は「既にリノベ物件を見学し、見抜く力のある消費者が多い。成約までのスピード感が早まると想定される」。同社の中心顧客は30～40代前半の一次取得者です。自由が丘の物件の販売価格は3790万円としていますが、当面は商品ラインアップの拡充が目標のため、物件エリアや築年などを固定せず、販売目標価格・戸数について検証していくということです。