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首都圏春の賃貸繁忙期 新築アパートが好調

2018年春の賃貸繁忙期は、全体的にやや減速気味で推移しました。アットホームの調べによりますと、2017年後半の好調から潮目が変わり、賃貸成約件数は1月から3カ月連続で前年同月比マイナス。3月の成約件数は3万件を下回りました。一方、成約の4割超を占める東京23区が好調なほか、新築はシングル向けがけん引し、アパートの成約件数は過去最高となっています。

アットホームの調査によりますと、2018年春の繁忙期(2017年12月~2018年3月)における首都圏(1都3県)の賃貸成約件数は9万3479件でした。2017年の9万4605件と比べて1.2%(1126件)減。調査直近の3月の賃貸物件成約件数は2万9785件(前年同月比1.1%減)で3万件を割り、3カ月連続で減少しました。同社によりますと、「2017年7月から6カ月間続いた成約数の増加が今年1月を機にマイナスに転じた。賃金が上昇しても、それを上回る物価上昇により実収入のマイナスが続くことを考えると、2017年後半の好調は一部の実収入の増えた層の需要だったようだ」とのことです。

一方、マイナス基調の中、3月は東京23区が大幅増(1万2695件、前年同月比5.6%増)でプラスに転じたことから、首都圏全体の減少幅は前月比2.3ポイント縮小しました。特に新築物件の成約件数はシングル向き(30m2未満)が牽引し、首都圏全体でマンションが前年同月比16.3%増で再び増加。賃料の高い城南・城西エリアの好調が押し上げた格好です。また、アパートも新築が同2.5%増で10カ月連続プラスと好調でした。

面積帯別成約件数の前年同月比は、マンションがファミリー向き(50~70m2未満)を除いて増加に転じました。アパートは30~50m2未満のカップル向きとファミリー向きが3カ月連続で減少しているものの、シングル向き新築が2カ月連続で過去最高を更新しています。「新築アパートの成約件数は2009年1月の調査開始以来、過去最高を記録。売買物件であれば中古物件をリノベーションするのもトレンドだが、賃貸派ではマンションよりも金額帯が安いアパートの中でも、設備面が充実している新築物件が選ばれやすい。ただ、相続税対策のアパート供給は止まっているため、最後のヤマではないか」(同社)。一方、ボリュームゾーンであり、様々な住まいの選択肢を持つシングル層が動き出したことから市場への変化が生じる兆しと見る向きもあります。

成約賃料の動きでは、3月の1戸当たり成約賃料(首都圏平均)は、マンションが8.47万円で前年同月比1.9%上昇し再びプラス。アパートは6.08万円で同0.8%上昇し10カ月連続のプラスとなりました。新築・中古別で見ても、マンションは新築が前年同月比10カ月連続上昇、中古も再び上昇に転じています。アパートは新築が同3カ月連続で下落しているものの、中古は同15カ月連続で上昇。なお、面積帯別ではマンション、アパート共に全面積帯で成約賃料が上昇。中でもカップル向きアパートは、同15カ月連続で上昇しています。