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「所有者不明土地」対応が活発化 2018年版・土地白書

政府は6月8日、2018年版土地白書を閣議決定しました。今回は、第1部の「土地に関する動向」についてレポートします。

第1部は内容を3章に分け、第1章は例年同様に土地に関する動向として、地価変動や土地取引件数などの推移を紹介。2018年地価公示では住宅地が10年ぶりに上昇に転じたほか、全国の土地取引件数が増加傾向にあり、オフィス市場やマンション市場も高水準で推移しているなど、2017年度の地価・土地取引動向の活況を示すデータを掲載しています。

第2章は年ごとに設定するテーマ章として2018年が「明治」元号の制定から満150年であることから、明治期から現在までの土地に関わる政策の変遷をまとめ、それを踏まえた今後の政策について取り上げています。本文では、明治に土地の自由な私的所有権が確立し、その後も地租改正や農地改革など時代の背景に合わせた施策が講じられてきたことを受け、「今後も国政全般に対するニーズに適切に対応する必要」があるとしていました。また、今後の対応として「産業、生活の基盤としての土地政策」「地価高騰に対する政策」「大きな被害を受けた直後の緊急事態対応の一環としての土地政策」の必要性を挙げています。

第3章も同じくテーマ章となっており、所有者不明土地を取り巻く国民の土地に関する意識について、今回初出のものも含めたアンケート調査を紹介しています。国土交通省が2月に行った「空き地所有者へのWEBアンケート」(回答数5000人)によると、空き地所有者のうち47.4%が「土地を所有することに負担を感じたことがある」と回答。特に相続で空き地を所有した場合に「負担を感じた」割合が多いほか、「負担を感じたことがある」人のうち25.4%が「売れる見込みはないが手放せるものなら手放したい」と考えていました。また同省の「土地問題に関する国民の意識調査」(2017年11~12月実施、有効回答数1604件)では、土地所有者の責任や土地所有権の放棄などについて質問。同調査によれば、84.9%が「土地所有者は所有する土地の管理を行う義務を負っている」と考えるとともに、76.6%が「土地所有権の放棄を認めてもよい」と答えています。さらに土地の所有者情報の開示については、34.7%が「一般に開示されてもよい」と回答しました。同省はこうした調査結果と併せ、「所有者不明土地の発生の抑制や解消に向けて、関係省庁が連携して検討していく」としています。