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複数拠点生活に満足感、需要は国内人口の10%に

不動産流通経営協会(FRK)は7月20日、79歳までの成人男女約15万人を対象にネットで実施した『複数拠点生活に関する基礎調査』の結果をまとめました。趣味で過ごす、介護で仕方なくなど、過ごし方は様々にあるものの、地域の活性化に資する複数拠点生活者を増やすには、税制などを含めた支援などが必要と指摘しています。

主たる住まいとは違う場所で週末など一定期間、生活している人は全体の6.6%(推計約617万人)、今後に意向のある人は7.1%(同約661万人)と、合計約1278万人で国内人口の10%に上っています。2地域居住などに65.5%が満足を得ており、決して特殊ではなく、こうした生活スタイルは一般化する可能性があると指摘しました。

場所に関しては、主たる住まいと同一の地方内で、2時間未満の距離に別の拠点を持つ人がそれぞれ半数を占めています。意向者に聞くとそれよりもやや遠距離の希望が多く、今後は中~遠距離での複数拠点が増えそうです。さらに、三大都市圏内の主たる住まいの居住者が地方に別荘を持つ従来のイメージと違い、三大都市圏間での移動や、地方の主たる住まいの居住者が三大都市圏内に拠点を持つ例も目立ち、多様性が出ているようです。

主たる住まいとは別の拠点での過ごし方は、「自分の時間を過ごす」「避暑・避寒・癒し・くつろぎ」を求める一方で、「転勤・単身赴任」「介護」など消極的な理由もうかがえます。ただ壮年期の経済的に豊かな人たちが選ぶイメージの複数拠点での生活では、特に若者の中にはリモートワークの環境を背景などとして、地域交流や貢献活動に取り組むためとしての動きがあることを特筆すべきとしました。

課題としては、①「家族の介護など」のためにそうした生活を強いられる人たちへの支援が必要。②3~4割が別の拠点として実家ではない「持ち家」で過ごす。③その利用者の世帯年収は中央値で「500~600万円」と特段に富裕層でもない、などが挙げられました。まとめとして、若年層にとってハードルの高い住宅ローン要件の緩和や優遇措置、家屋の初期費用や維持費を抑える支援を行えば、地域社会の活性化にも期待できる複数拠点生活者を増やすことができると結んでいます。