主要住宅メーカー各社の1月の受注速報(金額ベース)がまとまりました。それによりますと、戸建て住宅を中心に回復基調が続いています。昨年末からプラス基調が続いていますが、前年の水準が低く一昨年並みに戻っただけとの見方もあります。一方、2度目となる緊急事態宣言により、住宅展示場への来場者数は前年と比べて大きく減少。ただ、オンライン見学会などによる顧客接点を確保しており、受注への影響を抑えている面もあるようです。
個別の受注動向を見ていくと、積水ハウスは、コロナ以前から取り組んできたオンライン見学会などが奏功し、全体は5カ月連続でプラス。戸建て住宅については、住宅展示場来場者数は前年同月比32%減と大きく落ち込んだものの、昨年末の政府による住宅ローン減税延長方針やグリーン住宅ポイント制度といった住宅取得支援策が追い風となりました。分譲住宅も戸建てと同様の理由で増加しています。マイナスだった賃貸住宅(RC造除く)は、医療機関や介護施設などの非住宅の部分で新型コロナの影響を受けて低迷する一方、アパートなどはエリアマーケティング戦略により、回復基調が続いているとしました。また、リフォーム事業は、下期から回復傾向にあるものの、緊急事態宣言により、現況確認のため顧客宅へ行くことが難しくなった影響で減少しています。
大和ハウス工業は、土地オーナーの慎重姿勢から商業建築が約3割のマイナスとなり、全体も二桁減となりました。住宅展示場来場者数は45%減と大きく落ち込んでいます。分譲住宅や土地は、テレワークなどにより広さを求める郊外需要が根強く、昨年12月よりも落ち着いた動きになったと評価。アパートなどの集合住宅は、土地オーナーの相続税対策など根強い需要があるとしました。
旭化成ホームズは、昨年8月以来となるマイナスから脱却。戸建て、集合共に堅調に推移し、プラス受注となりました。1月は前年の水準が低かったものの、棟数はほぼ横ばい。戸建ては重量鉄骨2階建ての増加により受注単価が上昇。集合も付加価値提案により単価がアップして改善。展示場来場者数は約4割減となっています。
住友林業は、戸建て注文住宅、賃貸住宅、リフォームの合計で二桁減となりました。戸建て注文受注は、前年同月の水準が高かったこともあり、10%減。展示場来場者数はマイナスでしたが、ウェブ経由の資料請求数は前年を上回る状況が続き、1棟単価は高額物件の受注もあり高水準となりました。
パナソニックホームズは、一昨年並みの水準で良くなったとは言えないと評価。戸建て住宅については、低層住宅が前年を上回ったものの、都心部での多層階が低迷した。分譲住宅は千葉県印西市の物件販売が好調など、郊外需要を取り込み、4割近い増加となっています。