全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)および全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)が、9月23日の「不動産の日」に合わせて実施した2020年度「住宅の居住志向および購買等に関する意識調査」(有効回答数2万4863件)によりますと、不動産が「買い時だと思う」は17.3%(前年比4.3ポイント増)、「買い時だと思わない」は25.5%(同3.4ポイント減)となり、16年度の調査以来4年ぶりに買い時感が強まる結果となりました。
買い時だと思う理由は「住宅ローン減税など住宅取得のための支援制度が充実」が36.6%と最も高く、「今後、住宅ローンの金利が上昇しそう」が22.8%で続きました。買い時だと思わない理由は「不動産価値が下落しそう」が31.3%と最も多かったようです。
現在の居住形態を問わず、持ち家派は74.5%(前年比6.4ポイント減)で前年より減少したものの、全体の約4分の3を占めており、その理由では「家賃を支払い続けることが無駄に思える」が50.2%で最多となりました。一方、賃貸派は25.5%(同6.4ポイント増)と増加しており、その理由としては「税金が大変だから」(37.1%)、「住宅ローンに縛られたくないから」(36.6%)が上位を占めています。
また、新型コロナの影響によって「既に住み替えた」は3.1%、「住み替えを検討した」が6.3%となり、合わせて9.4%がコロナ禍を契機に住み替えの実施または検討したと回答しています。さらに、住み替えを実施・検討した人(N=2328)に対して、居住形態を聞くと、「持ち家から持ち家(新築)」(25.1%)、「賃貸から持ち家(新築)」(20.1%)が上位を占めました。住み替えの地域では、「郊外から郊外」(36.0%)、「都市部から都市部」(30.6%)と続き、都市部よりも郊外への住み替え検討・実施の割合がやや多い結果となっています。住み替えで重視したポイントでは最多の「最寄り駅からの距離」(33.3%)とほぼ同率で「ローンや賃料等、住宅費を抑えること」(33.2%)が続き、長期的な経済リスクを考慮している傾向がうかがえます。
なお、新型コロナの影響により、今後不動産店に期待するサービス(N=24863)については「非接触のセルフ内見」が42.5%で最も高く、「リモートによる遠隔の物件案内」(36.1%)、「VRによるオンライン内見」(29.0%)と続き、非接触やリモートなどによる物件案内への期待が上位を占めました。一方で、「契約書類などの電子化」(全体では26.3%)については年代による差が顕著で、20代では47.1%に対し、60代は15.7%と約3倍の開きがありました。
(同調査は、20年9月23日~11月30日、インターネットで全国の20歳以上の男女を対象に実施。有効回答数は2万4863件)