不動産経済研究所は2月21日、2022年の全国新築分譲マンション市場動向をまとめました。それによりますと、供給戸数は7万2967戸(前年比5.9%減)で、2年ぶりの減少となりました。他方、価格は上昇が続き、戸当たり平均価格(以下、戸当たり)、1m2当たり単価(以下、m2単価)ともに6年連続で最高値を更新しています。
供給戸数をエリア別で見ますと、首都圏(同12.1%減)、近畿圏(同5.8%減)、東海・中京圏(同15.1%減)の三大都市圏でいずれも減少したほか、中国地区(同20.1%減)や北陸・山陰地区(同16.7%減)も二桁の減少。東北地区(同83.7%増)や北海道(同31.1%増)では大幅に伸長したものの、全国では前年を下回りました。戸当たりは5121万円(同0.1%上昇)で6年連続上昇、m2単価は79.3万円(同1.1%上昇)で10年連続上昇。いずれも6年連続での過去最高値更新となっています。
また、東京カンテイがこのほど発表した「三大都市圏・主要都市別中古マンション(70m2価格)月別推移」によりますと、首都圏の平均は4845万円(前月比0.5%増)で、小幅ながら引き続き上昇しました。都県別で見ると、東京都は6395万円(同0.2%減)で弱含んだものの、傾向として2022年10月以降は現水準での安定した動きとなっています。神奈川県は3653万円(同0.4%増)で小幅な上昇、埼玉県(3062万円、同1.3%増)や千葉県(2782万円、同0.1%増)は上昇傾向を維持し、前年同月に比べて10%以上の上昇率を示しています。
主要都市別で見ますと、東京 23 区は前月比ほぼ横ばいの6939万円で、2022年10月のピークを下回る状況が続いています。また、横浜市は3790万円(同0.1%減)で、わずかながら2カ月連続の弱含みとなりました。一方、さいたま市(3831万円、同0.4%増)は3カ月連続のプラス、千葉市(2433万円、同0.7%増)でも上昇基調で推移しており、前年同月の水準を大幅に上回る状況が続いています。同社では、「単月の動きや前年同月比を見る限り、東京23 区や横浜市においては天井感が明らかに強まっている」と分析しています。