財団法人森記念財団は、「世界の都市総合力ランキング(2012年版)」を発表しました。調査方法として、世界を代表する主要40都市を選定し、都市の力を表す主要な6分野(「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」)における70の指標に基づいて評価を行います。さらに現代の都市活動を牽引する4つのグローバルアクター(「経営者」「研究者」「アーティスト」「観光客」)に都市の「生活者」を加えた合計5つのアクターに基づき、これらのアクターのニーズと都市の指標を重ねたマトリックスから複眼的にアクター別の都市の魅力を評価。このように都市を分野ごとに客観的に評価しながら、アクターという都市の利用者の視点に基づく評価を同時に行っている面で世界的にもユニークな調査・研究となっています。
調査・研究の推進にあたり、都市評価に関する世界的権威であるピーターホール卿をはじめとする学識者や各界の識者等が参画し、さらに第三者のピアレビュー(専門家による評価)を受け、ランキングに客観性を保つようにしています。
■調査対象都市
2012年版ではバルセロナ、ストックホルム、イスタンブール、ワシントンD.C.、メキシコシティの5都市を加え、対象は40都市。
■2012年度 分野別総合ランキング
総合ランキングにおけるトップ4都市は、1位ロンドン、2位ニューヨーク、3位パリ、4位東京となりました。調査開始以降トップの座に君臨してきたニューヨークに代わり、ロンドンが1位へ躍進。ただし、これはニューヨークの総合力が減退したということではないようです。今年、ニューヨークはいずれの指標も概ね昨年と同水準を維持していたものの、ロンドンの成長が著しかったため、元々拮抗していた両者の順位が交代。2012年ロンドン五輪開催に向け、国や市として国際会議や五輪関連のプレイベント等の開催に取組んだことや、それに併せて宿泊施設の整備や海外旅行者の誘致を行ったことが、データに表れています。
トップ4は1位と2位が入れ替わった他は、3位パリ、4位東京と昨年から変更はなく、また5位のシンガポールとの差が非常に大きいのも同様でした。