成約数が最高更新 ■中古住宅
中古住宅の売買市況が、13年は活況に沸きました。東日本不動産流通機構の首都圏不動産流通市場動向によりますと、13年1~11月末時点における中古マンションの成約件数は、3万3000件を突破しました。過去最高だった12年の件数(3万1397件)を既に上回り、最高を更新するのは確実。約2万5000件だった02年と比べて、1万戸程度増えることになりました。価格も、直近にかけて上昇傾向。m2単価、成約価格共に、13年初から11カ月連続で前年比プラスを記録しています。戸建て住宅も11月末時点で1万1300件を超え、前年(1万1459件)を上回る見込みです。
6年ぶりの高水準 ■新築マンション
新築マンション市場も好調に推移しました。不動産経済研究所によりますと、首都圏の供給戸数は5万6000戸程度、近畿圏は2万5000戸程度になる見込みです。首都圏の年間供給が5万戸を上回るのは、07年以来6年ぶり。その背景にはアベノミクス効果があり、年初から、景気回復期待感で消費者のマインドが好転したことが指摘されました。その後、住宅ローン金利の先高感が購入行動を後押し。直近では、建築費上昇などによる販売価格の上昇懸念が、高い購入意欲を支えています。加えて、アベノミクスに伴う円安などの影響で、アジアの富裕層や投資家が、都心の高額物件を中心に取得している動きも影響したようです。
取得額が過去最高 ■Jリート市場
Jリート市場は、資金調達環境の良さから公募増資や新規上場が相次ぎ、年間の物件取得総額は、従来の最高だった06年の2.1兆円を上回る2.2兆円に達する見通しです。今年は昨年より2銘柄多い6銘柄が上場しました。これにより銘柄数は全43となり、6年ぶりに過去最多を更新。不動産系や商社系ではない企業がスポンサーの特色あるリートが目立ちました。具体的には、2月にコンフォリア・レジデンシャルと、物流施設特化型の日本プロロジスリート、6月には野村不動産マスターファンドが上場。7月には星野リゾートが運営するホテルや旅館に重点的に投資する星野リゾート・リート、更に、10月にはSIA不動産投資法人、11月には小売業のイオンをスポンサーとするイオンリートが上場しました。同リートは、Jリート初の海外不動産投資となるマレーシアの商業施設の取得を予定しています。