自民・公明両党はこのほど、住宅ローン減税の延長拡大などを盛り込んだ13年度税制改正大綱をまとめました。消費増税の負担軽減策として大きな期待が寄せられた「給付」については、具体的措置は明記されませんでした。「今夏までには内容を示す」としていますが、その内容がエンドユーザーの購入計画のほか販売現場での営業案内にも大きな影響を与えることから、一日も早い決定が望まれるところです。また、「所有権保存登記などの特例延長」「耐震改修や省エネリフォームに対する特例拡充」「不動産特定共同事業で取得する不動産流通税の特例措置創設」なども大綱に盛り込まれました。
13年末で期限が切れる住宅ローン減税については、14年から17年末まで4年間延長する内容を盛り込みました。10年間の控除期間とローン借入残高に対する控除率1%はそのままで、14年4月からの減税適用者については、現行20万円(借入限度額2000万円)の年間控除限度額を40万円(同4000万円)に引き上げ。過去の事例で取られていた「経年減額措置」ではなく、4年間については一定額で継続することとしています。住民税からの控除上限も現行の9.75万円から13.65万円に拡大。住民税を9.75万円以上支払っている減税適用者に対して、還付額を上乗させる策として講じたものです。また、消費増税の影響を受けない14年1月~3月の減税適用者については、年間控除限度額と住民税の控除上限は現行のまま延長。また、13年の減税適用者について要望していた「年間控除限度額20万円から30万円への拡大」については実現せず、20万円のままで決着しました。
消費増税に対する負担軽減策の大きな目玉であった「給付措置」については、「税制措置とあわせた全体の財源を踏まえながら検討を進め、遅くとも今夏までには内容を示す」と記しています。「具体的な金額や給付対象者、申請書類、手続き、給付時期といった様々な事項を決めるには、考える期間が短すぎた」(国交省関係者)ため、具体的な内容まで踏み込むことができなかったようです。注文住宅など請負契約のほか、青田売りの分譲マンションの契約に対しても取られる「経過措置」(消費税率が8%に上がる14年4月1日を起点に6カ月前の13年9月30日までに契約を締結すれば、14年4月1日以降の引き渡しでも旧税率が適用される措置)の時期を考えれば、周知期間も含めて7月前後にはその内容を固める必要がありそうです。なお、給付措置が講じられることになった場合は、ポイントなどではなく基本的に「現金給付」となることが想定されるとのことです。