国土交通省は9月18日、2018年都道府県地価調査(7月1日時点の基準地価)をまとめました。同調査によりますと、全国の地価は全用途平均で0.1%上昇となり、1991年以来27年ぶりに上昇に転じています。商業地が1.1%上昇(前年比0.6ポイント増)と、上昇幅を拡大しながら2年連続でプラスとなったことに加え、住宅地が0.3%下落(同0.3ポイント減)と下落幅が縮小したことで、全体の平均も上昇となりました。
基準地価は都道府県が発表し、国交省が取りまとめて公表しているもので、今回の基準地点数は2万1578地点。同省が毎年1月1日時点の地価を調査、公表している地価公示とは補完的な関係にあり、今回は1639地点が共通地点での調査となっています。
都道府県単位で見ると、今回住宅地の地価が「上昇」となったのは11都府県で、千葉、京都、広島の3府県が新たに上昇に転じました。また2%以上の「下落」となったのは秋田と三重の2県で前年比3県減。商業地では北海道と富山県が上昇に転じ、「上昇」が19都道府県。2%以上の「下落」は岩手と秋田の2県のみで、同3県減となりました。上昇率が最も高かったのは、住宅地が沖縄県で4.0%上昇、商業地が京都府で7.5%上昇。下落率が最も大きかったのはどちらも秋田県で、住宅地が2.4%下落、商業地が2.6%下落となっています。地域別に見ると、東京・名古屋・大阪の三大都市圏が引き続き上昇傾向を強めており、全用途1.7%上昇(同0.5ポイント増)、住宅地が0.7%上昇(同0.3ポイント増)、商業地が4.2%上昇(同0.7ポイント増)と全体的に上昇幅が拡大しています。
今回、地価の上昇傾向が強まった背景は、住宅地については、低金利環境の継続などによる需要の下支え効果もあり、交通利便性や住環境の優れた地域を中心に需要が堅調であったこと、また商業地については、オフィスの収益性向上、外国人観光客の増加による店舗とホテル需要の高まり、駅前再開発事業の進展などにより、投資需要が拡大しているため、と関係者は分析しています。