首都圏の鉄道各社が駅に「働く場」をつくりつつあります。JR東日本、小田急電鉄、西武鉄道は、ウェブ会議が可能な1人用ボックス型の個室ブースを、主要駅の構内などに設置しました。小田急電鉄と西武鉄道は、三菱地所が資本参加するテレキューブサービス(株)の個室ブースを採用。さらに、JR東日本と西武鉄道はコワーキングスペース、シェアオフィスを展開しています。背景にあるのは、政府の働き方改革への対応と駅の利便性向上で、働く女性の利用が目立つケースも出ています。
個室ブース「テレキューブ」を導入しているのは、西武鉄道と小田急電鉄です。西武鉄道と西武プロパティーズは、高田馬場駅に1台と所沢駅に2台を設置しました。10月から本格的な運用を開始し、沿線テレワーク推進の一環として、気軽に働ける場を駅で提供。利用者アンケートを取って、今後の展開を検討するということです。
小田急電鉄は、駅の利便性向上を目的に、10月から経堂駅にテレキューブを2台設置しています。同社によりますと、ほぼ毎日利用がある状況で、都心のビルと比べて夕方の女性の利用が多い傾向があるといいます。10月28日からは、新たに町田駅で2台の運営を開始しました。
JR東日本は、立川駅で行っていた実証実験の結果を踏まえ、8月から駅ナカシェアオフィス事業「STATION WORK」を展開しています。東京駅で7台、新宿駅と池袋駅で各4台、立川駅で5台の1、2人用のブース型シェアオフィス「STATION BOOTH」を導入。また、近く東京駅の丸の内地下改札外にコワーキング型の「STATION DESK」を開業するということです。
西武プロパティーズは9月に練馬駅でアフタースクール併設型シェアオフィス「エミフィス練馬」を開業しました。シェアオフィスは、新規見学や問い合わせが続いており、ターゲットの40代子育て女性から問い合わせもあるそうです。練馬区ビジネスサポートセンターと協力し、ビジネス情報提供で連携などを実施。一方、アフタースクールは、2020年4月から小学生になる子供を持つ親からの申し込みが多いということです。