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コロナに揺れる住宅・不動産市場、五輪延期が業界に余波。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が、住宅・不動産市場でも一段と広がりを見せてきました。今夏に予定されていた東京五輪・パラリンピックの延期決定を受けて、昨年夏から分譲が始まった五輪選手村を再活用する大規模複合マンション「ハルミフラッグ」の販売も見直しを迫られています。

不動産調査会社の東京カンテイ・市場調査部の井出武上席主任研究員は、新型コロナの影響がこれまで以上に深刻化した場合、「マンション市場ではしばらくの間、新規取引が控えられ、様子見の姿勢をとるエンドユーザーが多くなる。価格への影響が出るのはしばらく先になるだろう」と見ています。ただ「首都圏の新築マンションの新規供給戸数は、2月は2000戸程度にとどまり、前年同月の2800戸を大きく下回った。新規供給戸数には早くも影響が出始めていると見られる」と話しています。

一方、中古マンション市場については、価格への影響はまだ断定はできないとしながらも、「東京23区のうち平均坪単価が前月比マイナスとなった区が、2月は13区と過半を占め、3月はさらに15区に増加している。これは昨年11月から今年1月の期間では見られなかった動きだ」とその影響の可能性を指摘しています。

また、不動産協会が主要会員に対して3月4日~16日まで行ったヒアリングによりますと、オフィス事業においても、新規の賃貸検討を様子見している企業や新規の営業案件への問い合わせ減少、既存テナントの新規拠点や増床などは様子見という雰囲気などの回答が寄せられました。また、外出自粛の影響を大きく受ける商業施設では、店舗テナントから賃料の減額要請が来ており、中国人顧客が多い家電量販店、免税店では70~80%も売上げが減少したと厳しい状況を訴える回答も見られています。