2021年5月以来の5%台、都心5区空室率が低下。

オフィス仲介大手の三鬼商事は2月8日、東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)のオフィス市況を公表しました。それによりますと、直近1月の平均空室率は5.83%(前月比0.20ポイント低下)となり、6%台で高止まっていた水準から脱しました。5%台は2021年5月以来となります。1月は統合や館内縮小による解約が見られましたが、大型成約があったことで、この1カ月間で約1万7000坪減少しています。

地域別に見ると、空室率は渋谷区を除く全エリアで低下しており、最も空室率が低いのは千代田区の3.16%となり、最も高いのが港区の8.49%、渋谷区の空室率は4.56%でした。

一方、1坪当たりの平均賃料は1万9730円(前月比18円安)と再び下落に転じています。エリア別に賃料を見ると、最も賃料が高いのは渋谷区の2万2655円(同191円高)で、最も賃料が低いのが新宿区の1万7840円(同85円安)となりました。

今後のオフィス市況について、同社情報戦略室の丹野光俊氏は、「空室率が6%台を切ったので、賃料の下げ止まりサインかもしれないが、予断は禁物で、もうしばらくは様子を見ていく必要がありそうだ」と慎重な姿勢を見せています。