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六本木ヒルズの自家発電システム

東日本大震災で首都圏の電力不足が深刻化するなか、東京・港区の六本木ヒルズは、自家発電で余った電力を430日まで東京電力に送り続けました。地下に設置されたガスタービン型自家発電システムは、環境にも配慮した最新型だということです。 大規模ビルでは一定期間の電力を賄う非常用電源が装備されているケースが多いのですが、震災後に燃料不足が起これば、機能を停止せざるを得ません。しかし、六本木ヒルズの場合、ガスタービンを活用したシステムのため、燃料である都市ガスが供給されている間は発電が可能。まさに都心の“発電所”の機能を果たせたわけです。

六本木ヒルズの地下1万平方メートルに展開される発電施設は、ガスタービン、蒸気ボイラー、吸収式冷凍装置などからなる大規模コージェネレーション(熱電併給)システム。通常は六本木ヒルズ内にある森タワー、住居部分のレジデンスに電力と冷暖房用の冷熱、給湯用などの温熱を、テレビ朝日にも冷熱と温熱を供給しています。

発電と熱供給を合わせたエネルギー効率は75%と、大規模発電所に劣らない高効率を実現。最大の特徴は、発電量と熱電供給の割合を自在に調節できること。例えば電力需要が多いときは自動車のターボエンジンのように排気される蒸気を再びタービン側に戻して発電機の回転数を上げ、発電出力を増やすこともできます。震災以降の電力不足に対応し、その機能がいかんなく発揮されました。

ガス燃焼で生じる排ガスは六本木ヒルズの敷地内にある煙突から排出されますが、三元触媒を使った処理装置により窒素酸化物や硫黄酸化物は基準値の半分以下。都市ガスを燃料とする高効率発電のため、二酸化炭素の排出も抑制できます。

ガスが供給されている限り、電力不足や計画停電とも無縁で、万一、都市ガスが停止しても灯油による発電も可能。外資系企業や金融業などは入居ビルの選定で自家発電機能を重視するため、テナント誘致にも威力を発揮しているとのことです。