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ITによる重要事項説明、本格運用始まる

Tによる重要事項説明(IT重説)が、いよいよ10月1日から本格運用され、不動産の賃貸取引でテレビ会議などのITを用いて重要事項説明を行うことが可能となりました。これに伴い、国交省では宅建業者が適正かつ円滑にIT重説を行えるよう、実施マニュアルを策定し、ホームページ上などで公開しています。

IT重説のメリットは、まず時間や費用コストの軽減です。進学に伴う子供の下宿先を契約する親など遠隔地の顧客が、重説のためだけにわざわざ移動せずにすみます。顧客にとっては自宅など、リラックスできる場所で説明を受けられ、けがや病気で顧客が外出困難な場合にも便利です。また、宅建業者にとっては、重説実施の日程調整の幅が拡大する、という利点もあります。平日は仕事で忙しい、あるいは長時間、家を空けられないなどという顧客に対しては、日程調整が緩やかになります。

宅建業者が適正かつ円滑に賃貸取引でのIT重説を行えるよう、「IT重説実施マニュアル」が作成され、9月上旬から国交省のホームページでは既に公開されています。これには一定の要件を含めた守るべき事項、具体的な手順、工夫事例の紹介などが列記されています。運用で守るべき事項とは、まず映像と音声についての双方向性を有する環境で、これにより図面書類や説明内容を十分に理解できなければなりません。また、宅地建物取引士は記名押印した重要事項説明書と添付書類をあらかじめ説明を受ける相手方に送付し、説明開始直前には、取引士は相手方に重要事項説明書と添付書類が届いており、説明できる状態にあること、および映像と音声の状況を確認しなければなりません。それから取引士は画面上に宅地建物取引士証を提示し、相手方がそれを視認できたことを確認。また、説明中に映像や音声に支障が生じた場合には、説明を中断して、支障解消後に改めて説明を再開することとなります。

なお、法人間売買についてのIT重説は、社会実験の実施件数が2件にとどまっており、判断に足る結果が得られたとは言い難いと同省では判断しました。現在は法人間売買を手掛けている宅建事業者を対象に、8月から1年間にわたり実験が行われています。結果によっては、この期間が短縮される可能性もあり、一般の関心がある個人を含む売買取引については、賃貸取引での運用の実施状況や法人間売買取引での社会実験での結果を踏まえ、社会実験または本格運用の検討を行うことになりました。